コラム

 公開日: 2014-02-24  最終更新日: 2014-03-09

転勤を拒否する社員を強制的に転勤させることはできるか①

こんにちは。

お客様から、次のような質問が寄せられています。

【質問】
当社では、業務上の必要性から、毎年慣行的に人事異動・転勤を実施しています。
この度、高卒入社後 5 年目の男性社員に対し、他県の営業所への転勤を打診したところ、生活設計が狂うといって拒否しています。

当社の就業規則には転勤させることができる旨定めてあり、この社員と結んだ労働契約書にも転勤の可能性ありと定めています。

当社としては、1 人でも例外的に転勤拒否を認めてしまうと他の社員にも悪影響が出ることが懸念されるため、この男性社員には転勤命令に従ってもらいたいのですが、強制的に転勤させることは何か問題でしょうか?

また、どうしても転勤に従わない場合は、懲戒処分をすることはできるでしょうか?

【回答】
過去の判例等から、転勤が適法であり有効であると認められるためには、大きく分けて 2 つの要件を満たす必要があります。

① 就業規則、労働契約、慣行等に基づき、就業場所が特定されていないこと
② その転勤命令が権利の濫用に当たらないこと
です。

上記①の点について、
貴社では就業規則に転勤させる旨定めていること、労働契約書にも転勤の可能性ありと記していること、毎年慣行的に人事異動・転勤が実施されていることから、転勤命令は有効であると考えます。

上記②の点について、
何をもって権利の濫用とするかは解釈が分かれるところですが、
業務の必要性がなく何らかの報復的な意図により転勤を命じた場合、あるいは対象社員の家庭事情を十分に考慮しなかった場合等は、権利の濫用として無効とされる場合があります。

社員の家庭事情を考慮するとは・・当然ケースバイケースですが、
過去の判例では、家族に病人 3 人を抱え一家の大黒柱となって働いていた社員に対する遠隔地への転勤が無効にされたケース、あるいは病気の老母を抱え妻が看病にあたっている家庭事情の社員に対する遠隔地への転勤を有効とした例など様々ですが、相当特別な事情がない限り「転勤は有効」とする例が多数派のようです。

これらのことから総合的に判断して、ご質問のケースでは、強制的に転勤させることができるのではないかと考えます。

人事・労務に関するお困り事等ございましたら、お気軽にご相談ください。


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