コラム

 公開日: 2014-04-07  最終更新日: 2014-05-20

社会保険(健康保険)の扶養家族とは

お客様から、次のような質問が寄せられています。

【質問】
当社は、協会けんぽ(全国健康保険協会)の健康保険に加入している会社です。
この春、当社に入社した社員を、社会保険に加入させる手続きをしようと思いますが、その社員から、「別居している一人暮らしの実母( 69 歳、年金受給者)も扶養に入れてほしい。」と言われました。
別居している実母を社会保険の扶養に入れることは、特に問題ないかどうか教えてください。

また、当社の別の社員から、「これまで社会保険の扶養になっていた妻( 39 歳)がパートで働き始めたが扶養から外さなきゃならないか?」と聞かれました。奥さんはパート勤務先では社会保険に加入できないとのこと。この場合、奥さんを扶養から外さなくてもよいかどうか教えてください。

【回答】
社会保険(健康保険)の扶養は、生計維持と同一世帯という 2 つの要件から判断します。
その要件についてまとめると、次のようになります。

(1)生計維持関係のみで扶養になれる者
  ・被保険者本人の直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母等)
  ・配偶者(内縁関係になる者を含む。)
  ・子
  ・孫
  ・弟妹(兄姉は(2)の要件が必要)

(2)生計維持 + 同一世帯を要件とする者
  ・被保険者の 3 親等内の親族で、上記(1)に該当する者以外の者
  ・被保険者と内縁関係にある配偶者の父母および子など

では、生計維持とは何か?
生計維持の認定基準をまとめると、次のようになります。

(1)被保険者と同一世帯にある者
 対象者の年収が 130 万円未満で、かつ、被保険者の年収の 2 分の 1 未満であれば扶養と認められます。
 ※年収が 2 分の 1 以上であっても、その額が 130 万円未満であって、総合的に被保険者の収入によって生計が維持されていると認められる場合には、扶養と認定されることもあります。

(2)被保険者と同一世帯にない者
 対象者の年収が 130 万円未満で、かつ、被保険者からの援助額(仕送り額等)より少ない場合は、原則として扶養と認められます。

なお、上記において、「年収」には年金収入や雇用保険の失業給付等も含めます。
また、60歳以上の者、障害厚生年金を受給できる程度の障害者の場合は、「 130 万円未満」は「 180 万円未満」と読み替えて認定されます。

また、同じ「扶養」という言葉から、社会保険上の扶養と、所得税上の扶養を混同している方もいらっしゃいますが、所得税上の扶養は、上記認定基準とは異なりますので、申し添えておきます。

さて、ご質問の回答ですが、
上記の認定基準を当てはめますと、次のようになります。

まず、前者の質問ですが、
実母は、その社員の直系尊属なので、生計維持関係のみで判断することになります。
別居しているということですので、実母の年金収入を含めた年収が、180 万円未満で、かつ、その社員からの援助額(仕送り額等)より少ない場合は、原則として扶養にすることができます。
実母の年金収入とその社員の援助額について確認し、判断してください。

次に後者の質問ですが、
奥さん、つまりその社員の配偶者なので、生計維持関係のみで判断することになります。
同居しているとして、奥さんの年収(今後の年収見込み額)が 130 万円未満で、かつ、その社員の年収の 2 分の 1 未満であれば、パートで働き始めたとしても扶養にすることができます。( 2 分の 1 以上でも、総合的にその社員の収入によって生計維持していると認められるときは、扶養にできる場合もあります。)
奥さんの年収見込み額を確認し、判断してください。

社員本人は当然のこと、その扶養家族についても適正に社会保険の手続きを行ってください。
ご不明な点は当事務所までご相談ください。


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グランデ紫101号
久志田社会保険労務士事務所
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TEL 025-384-4002
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